以下の内容は、白山読書会のメンバーによって昭和61年12月に出版された「山干飯 小字のはなし」の内容をデータ化して公開しています。
勝蓮花(しょうれんげ)
旧南条郡坂口村に源を発する吉野瀬川の下流に位置し、支流の丸岡川もこの地で合流する。
この集落には伊弉冊尊を祀る白山神社があり、昭和十年曹洞宗寺院竹林庵が創建され、殆んどの人がこの台地に居住していた。その後時代の変遷、交通の便等から逐次北側県道武生米ノ線勝蓮花甲楽城線沿いに移転し、旧集落台地には現在白山神社だけとなっている。
明治十七年溫故小学校小野分校が通学区域(小野、勝蓮花、沓掛)の中央である当地へ移され、勝蓮花小学校として開校された。その後白山尋常高等小学校第二分教場として、昭和四十二年三月まで存続した。慶長時代の書には小蓮花とも書かれている。昭和二十一年第二次世界大戦直後北側台地の源相野地籍に帰農開拓団が入植したが、食糧事情の好転、その他に伴い逐次離散し現在住宅は無い。
一、小字名
1 たきのたん(滝之谷)
2 たきのまえ(滝の前)
3 はったんだ(八反田)
4 おおはた(大畑)
5 はたばな(畑端)
6 さいとうの(済藤野)
7 かみさいとうの(上済藤野)
8 しもはっだんだ(下八反田)
9 むらした(村下)
10 ぐだに(具谷)
11 なかみち(中道)
12 たかとうろう(高灯籠)
13 さんがつで(三月出)
14 つつみがたん(堤ヶ谷)
15 うしづき(牛月)
16 ひげ(比ヶ)
17 とうげ(峠)
18 どうだ(堂田)
19 しもだいだ(下鯛田)
20 ひころく(彦六)
21 たいだ(鯛田)
22 ふたせがわ(二瀬川)
23 どうのく(堂奥)
24 おばた(小畑)
25 しおから(塩辛)
26 びりだん(秘理谷)
27 うつりごや(移り小屋)
28 えのきとうげ(榎木峠)
29 さいとうの(済藤野)
30 しもさいとうの(下済藤野)
31 わたりせ(渡り瀬)
32 ののした(野ノ下)
33 ぬかぐちやま(糠口山)
34 にしげただに(西下田谷)
35 ひがしげただに(東下田谷)
耕地
36 ぐだにぐち(具谷口)
37 しみず(清水)
38 しりの(尻野)
39 おおさかぐち(大阪口)
40 のぞえ(野添)
41 みちのした(道之下)
42 なかのたに(中野谷)
43 ほそだん(細谷)
44 にたんだ(二反田)
45 げただん(下田谷)
46 かみほそだに(上細谷)
47 みずおし(水押)
48 またに(真谷)
49 たきだに(滝谷)
50 みようがだん(茗荷谷)
51 ようすい(用水)
52 しおから(塩辛)
53 むかいやま(向山)
山林
54 はながたん(花ヶ谷)
55 よしのお(吉野尾)
56 よしたん(吉谷)
57 たいこいわ(太鼓岩)
58 びりたん(秘理谷)
59 うつりごや(移り小屋)
60 わりおだん(割尾谷)
61 えのきとうげ(榎木峠)
62 げんそうにしの(源相西野)
63 げんそうひがしの(源相東野)
64 じんで(神出)
65 しんでさか(神出坂)
66 ますだん(増谷)
67 げただん(下田谷)
68 いちのたに(一野谷)
69 ほそくぼ(細窪)
70 おくかやだん(奥加屋谷)
71 なかかやだん(中加屋谷)
72 かやだん(加屋谷)
73 かみがたん(神ヶ谷)
74 かじまたん(梶間谷)
字名については、その所在が隣の小野集落のものと入り交り小野と同一名のものが多い。これは明治初年土地台帳整備の際、当時の所有者本位に大字名を定めたものと思われる。そのため由来等は小野と合記する。