コウノトリの飼育・繁殖と放鳥 平成23年12月~
<飼育>
福井県は平成23年12月より、コウノトリ郷公園からペア(オス:「ふっくん」、メス:「さっちゃん」)を借り受け、コウノトリの野外定着に向けた共同研究(飼育・繁殖)として、白山地区で飼育を始めました。
<繁殖>
平成26年には、福井県は有精卵3個をコウノトリ郷公園から譲り受け托卵し、福井県で50年ぶりにひなが誕生しました。
<放鳥>
平成30年には、飼育方法を改善したことで、飼育開始から初めて有精卵を産卵し、4羽のひなが生まれました。このうち3羽は坂口地区から放鳥されるなど、平成27年から平成30年までにコウノトリ飼育・繁殖事業において9羽のコウノトリの放鳥が行われました。
<越前市とコウノトリの物語>
越前市は、コウノトリが日本で最後まで生息していた地域(豊岡市、小浜市、越前市)の一つです。絶滅が危惧された昭和30年代以降も市民とコウノトリとの関わりが数多くあり、そのたびに熱心な保護活動が展開され、コウノトリとの様々なストーリーを持って歩んできました。
越前市では平成21年4月に「越前市食と農の創造条例」を施行して、環境調和型農業に力を注ぐとともに、平成22年度に「越前市コウノトリが舞う里づくり構想」を策定して、地域住民や福井県をはじめとする関係団体、地域活動団体等と連携して、取組みを進めてきました。
その結果、平成22年からのコウノトリの飛来に続き、ついに令和2年初めて野外コウノトリの巣立ちが実現しました。 また、令和3年度も野外2ペアからヒナ誕生・巣立ちが実現するなど、多くの野外コウノトリが訪れることとなりました。
私たちが目指すのは、かつて越前市の空を舞っていたコウノトリが当たり前のようにいる未来です。そのためにもこれからもコウノトリが舞う里づくりを推進していきます。