くちばしの折れたコウノトリ「コウちゃん」

昭和45年12月~昭和46年2月

 昭和45年12月に、白山・坂口地区に1羽のコウノトリが飛来しました。地元では子どもたちが観察を行い「コウちゃん」と名付けられました。「コウちゃん」は下のくちばしが折れていたため、餌がうまく採れず、住民による餌集めなど保護活動が行われましたが、少しずつ衰弱していきました。

  そのため「コウちゃん」を保護するために捕獲し、兵庫県豊岡市のコウノトリ飼育場に送られました。「コウちゃん」は豊岡で「武生」と名づけられ、34年間大切に飼育され、1羽の子どもと4羽の孫を残しました。

白山小学校児童会の保護活動

 地域住民や地元の白山小学校の児童たちは、「コウちゃん」と名付け、観察や餌やりを行い暖かく見守りました。白山小学校児童会では、保護の看板を立てて、毎日、観察日誌をつけました 。

 白山小学校の全児童による餌集めが行われました。しかし、「コウちゃん」はくちばしが折れていたため、十分に餌をとれず次第に衰弱していきました。 児童たちは、美しいコウノトリの姿を残そうと、コウちゃん像が立てられました。

 専門家による協議の結果、「コウちゃん」を捕獲し、兵庫県豊岡市のコウノトリ飼育場(現兵庫県立コウノトリの郷公園)へ移送することが決まりました。1971年(昭和46年)2月27日に保護されました。

 「コウちゃん」が捕獲されたとき、地元の児童たちから「コウちゃんを連れていかないで。」という意見がありました。この時、「きっと、コウちゃんを大空に返す。」と児童たちに約束しました。 「コウちゃん」は「武生」と名付けられ、折れたくちばしの治療を受け、大切に飼育されました 。

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